パソコンやスマホで「Copilot(コパイロット)」を使っている方に、ちょっと大きな変更が届いています。

Microsoftが、2つあったCopilotアプリを1つに統合しました。これだけなら「分かりやすくなっていいことだね」で終わるのですが、実は同じタイミングで5つの機能が廃止されます。しかも、なかには後から取り戻せないデータもあります。

この記事では、何が変わるのか、いつ変わるのか、そして今のうちに何をしておけばいいのかを、順を追って整理してご紹介します。

何が変わるのか

これまでMicrosoftには、個人向けの「Microsoft Copilot」と、仕事・学校向けの「Microsoft 365 Copilot」という、名前も見た目もよく似た2つのアプリがありました。どちらを入れればいいのか分からない、という声は以前からあったようです。

この2つが、今回1つになります。

項目変更内容
アプリ名Microsoft 365 Copilot → Microsoft Copilot(「M365」バッジが削除され、アイコンも変更)
WebのURLm365.cloud.microsoft → copilot.cloud.microsoft
アカウント表示個人用と職場用を背景色とラベルで見分けられるように
データ個人用と職場用のデータは混ざらない設計
サインインApple・Googleのアカウントでもサインイン可能に

URLは自動で新しいアドレスに転送されるので、ブックマークを修正する必要はありません。セキュリティやプライバシーの設定も変わりません。

つまり、アプリの入口に関しては、利用者側でやることはほぼありません。問題は次の話です。

消える5つの機能

2026年8月18日から、次の5つの機能が段階的に廃止されます。

廃止される機能どんな機能かデータはどうなるか
ポッドキャスト生成AIがラジオ番組風の音声コンテンツを作る作成も視聴もできなくなります
グループチャット複数人でCopilotを囲んで会話するメッセージも生成画像も引き継がれません
Deep Research複数のWeb情報を調べて詳細レポートを作る一般利用者向けの提供が終了します
Copilot Labs実験中の新機能をお試しで使える場生成したコンテンツは引き継がれません
Mico音声機能に登場するアニメーションのキャラクター会話履歴は残りますが、色や見た目の設定は消えます

このうちポッドキャストとグループチャットには代替手段がありません。グループチャットはすべて1対1の形式に変わります。

Deep Researchについては、同等の深掘り調査をしたい場合、Microsoft 365 Premium契約者向けの「Researcher」という機能が用意されています。つまり、無料で使えていた範囲が一段狭くなったということです。

Micoは、学習機能「Learn Live」のチューターとしては継続するとされています。かつてのOfficeアシスタント「イルカ」を思い出す方もいるかもしれません。

今のうちにやっておくこと

アカウントの更新は自動で順番に行われます。つまり、ある日突然変わると考えておいた方が安全です。

心当たりのある方は、早めに次の確認をしておいてください。

AIポッドキャストを作ったことがある方──音声ファイルをダウンロードして保存しておく

グループチャットを使っていた方──残しておきたいメッセージや画像をコピー・保存する

Copilot Labsで何か作った方──生成したコンテンツを保存する

Deep Researchをよく使っていた方──代替手段を検討する

四つめの代替手段については、有料プランに上げる以外にも、ChatGPTやGemini、Claudeなど他のAIサービスにも同等の調査機能があります。この機会に見比べてみるのも良さそうです。

なお、スマホで使っている場合は、アプリの手動更新が必要になることがあります。

変更のスケジュール

全世界で順番に進むため、自分の環境に届く時期には幅があります。

時期内容
2026年8月中旬〜スマホ版・Web版の展開開始
2026年8月18日〜5つの機能の廃止開始
2026年9月初旬〜URLの自動転送が本格化
2026年9月中旬〜Windows版・Mac版の展開開始
2026年9月下旬〜Web版向け転送の段階展開

パソコン(Windows・Mac)で使っている方は、9月中旬以降が本番と思っておいて良さそうです。

なぜ機能が削られるのか

「便利になるなら分かるけれど、なぜわざわざ機能を減らすのか」──そう思われるかもしれません。ここにははっきりした事情があります。

報道によれば、Copilotは契約者数に対して実際に使っている人が少なく、同社内部でも強い危機感があったとされています。

指標数値
Microsoft 365利用者(4.5億人)のうち有料Copilotを契約している割合4.5%未満
有料契約者のうち週1回以上使う割合20〜30%
Copilot・ChatGPT・Geminiを同条件で使える環境でCopilotを選んだ割合約8%

今回廃止される機能は、いずれも「話題にはなったけれど、続けて使われなかったもの」と判断されたと見られます。AIに可愛いキャラクターをつける、ポッドキャストを自動生成する──こうした目を引く機能を一斉に整理し、実際の仕事や暮らしに使える部分に絞る。そういう方向転換だと読めます。

生成AIの市場が、目新しさで人を集める段階から、実益で選ばれる段階に移ってきたともいえそうです。

アプリが1つになっても、使える機能は同じではない

ここは誤解しやすいので、一つだけ補足しておきます。

Microsoftは、サインインしたアカウントに応じて体験が切り替わること、そして機能の提供状況は契約の種類によって異なることを明記しています。つまり、アプリが1つになっても、できることが共通化されるわけではありません。入口が一つになるだけです。

個人で使っている場合の大まかな目安は次のとおりです。

無料Microsoft 365 Personal / FamilyMicrosoft 365 Premium
チャット・Web検索・画像生成○(利用上限は低め)○○(上限は最大)
Word・Excel・Outlook内のCopilot×○(契約者本人)○
Researcherなどのエージェント機能××○

先ほどのDeep Researchの話は、この表の一番右に寄せられた、ということになります。

なお、職場のアカウントで使っている場合は、勤務先がどのライセンスを契約しているかで使える機能が変わります。気になる場合は社内の担当者に確認するのが確実です。

まとめ

今回の変更で、利用者が手を動かす必要があるのは実は一点だけです。消える機能で作ったデータを保存しておくこと。アプリ名やURLの変更は自動で進むので、特に心配はいりません。

一方で、今回の一件は「無料で使えていた便利な機能は、いつまでも無料とは限らない」ということを教えてくれます。重い処理を伴う機能が有料プランへ寄せられていく流れは、他のサービスでも起きうることでしょう。

だからこそ、大切なものはこまめに手元に保存しておく。そして、一つのサービスに完全に依存しすぎない。この二つを覚えておくと、これからも似たような変更があったときに慢てずに済みそうです。

※本記事の情報は2026年8月時点のものです。展開状況や機能の提供内容は変更される可能性があります。