資料を作るたびに、チャットでAIに下書きを頼み、WordやExcelに貼り直して整える。そんな二度手間に心当たりはありませんか。

2026年10月9日(現地時間)、Microsoftが「Office in Copilot」を発表しました。Copilotアプリの中で、Word・Excel・PowerPointの文書を作り、直し、ほかの人と一緒に編集できる機能です。

この記事では、何ができるのか、誰がいつから使えるのか、仕事で使う前に押さえたい点を整理します。公式発表と各メディアの報道をもとにまとめた紹介記事で、私が実際に使って試したものではありません。2026年10月17日時点の情報で、提供状況は変わる可能性があります。

Office in Copilotとは

Copilotアプリの画面の中で、Officeの文書づくりが完結する機能です。

これまでは、チャットでアイデアを練り、Copilot Coworkで最初の下書きを作り、残りの作業をMicrosoft 365のアプリに引き継ぐのが一般的でした。Office in Copilotでは、この工程をCopilotアプリの画面内で進められます。

要点は次の3つです。

  • 作った文書がチャットの隣に表示され、追加の指示で直せる
  • 画面上で直接編集でき、共同作業もできる
  • 現在はFrontier利用者向けで、一般提供の日程は未公表

できること

チャットで作り、追加の指示で直す

チャットで頼むと、Copilotが文書を作ってチャットの隣に表示します。窓の杜の記事では、調査メモを顧客向けの発売概要にまとめる例が紹介されています。

そのあとで「冒頭を書き換えて」「比較表を足して」と指示すれば、Wordのアプリを起動せずに修正できます。

画面上での直接編集と共同作業

文書は、キャンバスと呼ばれる編集画面で直接書き換えられます。操作はWeb版Wordとほぼ同じとされています。ファイルの共有、コメント、同じ文書の共同編集、共同作業者の操作のリアルタイム表示にも対応します。

Libraryで文書をまとめて探す

新しい「Library」には、最近作ったWord・Excel・PowerPointの文書、Copilotのページ、AIが生成したコンテンツが並びます。作成元がCopilotかOfficeアプリかは区別されません。

保存先と管理は今までどおり

ファイルはOneDriveに保存され、書式、コメント、共有権限、バージョン履歴が引き継がれます。組織で使っている機密ラベルやコンプライアンスの設定も、そのまま適用されます。

PowerPoint・Excelの支援とSkills

PowerPointでは、組織のブランドに合わせることやテンプレートの適用を支援します。Excelでは、Copilotによる変更の確認や、おすすめのグラフでの可視化ができます。

専門的な支援機能「Skills」とコネクタも加わり、Excelでの財務分析やWordでの法務関連の作業などを補助するとWinCentralが報じています。AIモデルは自分で選べるほか、「Auto」を選ぶとCopilotが自動で選びます。

使える人と提供時期

項目内容
発表日2026年10月9日(現地時間)
提供開始発表日から、Frontier利用者向けに展開中(Copilot ChatとCopilot Cowork)
一般提供日程は未公表
料金報道には記載なし

「Frontier」は、一般提供の前に新しいAI機能を試せる先行提供プログラムです。個人向けでは、Microsoft 365のPro・Premium・Personal・Familyの契約者が対象で、追加料金はかからないとMicrosoftが案内しています。

法人向けでは、Microsoft 365 Copilotのライセンスと、組織の管理者によるFrontierの有効化が必要とされています。詳しくはCopilot Notebooksの更新を整理した記事をご覧ください。

ただし、Office in Copilotそのものが個人契約のFrontierにも出ているかは、今回の調査では確認できませんでした。ご自身のCopilotアプリで、機能名に「(Frontier)」と付いた表示や、Office文書を作る画面が出るかを確認してください。

ここに至るまでの流れ

時期出来事
2026年3月30〜31日Copilot Coworkが、限定プレビューからFrontierでの提供に移る
2026年8月個人用と仕事用のCopilotアプリが1つに統合される(統合の内容を整理した記事)
2026年9月25日窓の杜が、エージェント機能などを統合した新しい業務向けCopilotの発表を報道
2026年10月9日Office in Copilotを発表

Copilot Coworkは、成果物を伝えると計画を立て、バックグラウンドで作業し、変更を適用する前に承認を求める機能です。Anthropicの「Claude Cowork」の技術が使われていると報じられています。

こうして並べると、Microsoftは「チャットで考える」「AIに作業を任せる」「Officeで仕上げる」を、Copilotアプリという1つの場所にまとめようとしているように見えます。これは発表の流れから読み取れる見方で、Microsoftの公式な説明ではありません。

仕事で使う前に押さえたい注意点

  • 先行提供の段階です。 Frontierの機能は開発中で、今後変わる可能性があります。一般提供日と料金も示されていません。
  • AIが作った文書は、自分で確認します。 数字、固有名詞、約束事は、取引先に出す前に目で確かめてください。
  • 取引先の情報の扱いを確認します。 契約や取引先のルールで、生成AIへの入力が制限されていないかを先に見ておくと安心です。個人事業主の場合は、秘密保持契約の条文が目安になります。

試せる人が最初にやること

  1. Copilotアプリを開き、機能名に「(Frontier)」の表示があるか確認する
  2. 表示がない個人契約の方は、Web版のWord・Excel・PowerPointで「ファイル」→「オプション」→「Copilotの設定」を開き、「Preview Frontier Features」をオンにする(アプリごとに設定が必要)
  3. まずは自分用のメモのような、社外に出さない文書で「作る→直す」を試す

手順2はMicrosoftによる個人向けFrontierの案内で、Office in Copilotが表示されることまで保証するものではありません。

よくある質問

無料で使えますか?

報道には、Office in Copilotの料金の記載がありません。個人向けFrontierは、対象のMicrosoft 365契約に追加料金なしで使えると案内されています。ご自身の契約は、Microsoftアカウントのページで確認できます。Copilotの無料版と有料版の違いは、こちらの記事で整理しています。

WordやExcelのアプリがなくても使えますか?

報道では「Wordアプリを起動せずに修正できる」と書かれていますが、Officeアプリが不要とは書かれていません。この点は確認できていないため、公式の案内をご確認ください。

Copilot Coworkとは何が違いますか?

Coworkは、複数の手順にわたる作業をAIに任せる機能です。Office in Copilotは、作った文書をCopilotアプリの中で表示し、編集できるようにする機能です。発表では、Copilot ChatとCopilot Coworkの両方で展開するとされています。

まとめ

Office in Copilotは、文書づくりを1つの画面にまとめる試みです。チャットで頼み、画面上で直し、OneDriveに保存する流れがつながります。ただし、いまはFrontier利用者向けの先行提供で、一般提供日も料金も示されていません。

今後の確認ポイントは3つです。一般提供の日程、必要な契約と料金、個人契約でのFrontierの提供です。資料づくりに時間を使っている方は、まず自分のCopilotアプリに「(Frontier)」の表示があるかを見ておくとよいでしょう。